自身で許すならさておき

身重で辛き時、貴方は傍に居ましたか?朝帰りしてません?常に家へ着くは何時やら。それでもこんなでかい腹抱えた身。逃げ出す事も、別れさえも叶わぬ。

如何に辛いか、分かります?「とは言われてもねぇ。俺も好きでやってんじゃねー。仕方無くね?」あぁもう相変わらず言い草が、癪に障る。

仕方ねーで済むわけ?この苦痛も、自身で許すならさておき、貴方に言われたくありません。

「とりあえず、俺は産んでくれとはゆうとらん、勝手にせえや。じゃ、会社行くわ」なによそれ、チンピラ、外道、屑。

「好きにほざけ。飯作っとけよ」許せない、気付けば家を飛び出す。きっかけは妊娠中、でも彼が酷すぎ。

バッグ片手に僅かの金で、どうせよと。実家へ帰る?視野に入れたけど、それじゃ彼の手が伸びるやも。笑い種。

嘗ては女優として名を馳せ、栄誉を手にしながら、現在は流浪民。なにも持たず、宿りは忌々しき。